ふたたび東京に住む

札幌から東京へ、歩いている私の話
瀧波ユカリ 2022.01.01
誰でも

年末に、10年住んだ札幌から東京へと家族3人でお引っ越しをしました。雪を踏まないで冬を過ごすのはとても久しぶりです。

晴れているから暖かそうだなと思って外に出ると、意外と寒さを感じたりして、でも歩いているうちに暑くなって、脱いだり着たりを繰り返しています。

新しい住処、新しい街での暮らしはとても刺激的で、細い路地や小さなお店を見つける喜びを味わっています。道路に置かれた小さな植木鉢から3階に届くほどに伸びているゴムの木や、真冬なのに咲き乱れている椿を見ると、ああそうだった、これが東京だなって思ったり。

去年の夏にかつてないほど調子を崩してしまい、寝れないしごはん食べれないし、動悸や胸痛が止まらないしで大変な思いをしました。頭の中は不安と焦りでいっぱいで、体は弱ってちょっと動いたらすぐ疲れてしまうし、もう元の自分には戻れないのではないかと思いました。

でも少しずつでもいいから前に進みたくて、友人たちに話を聞いてもらったり、メンタル関連の本をたくさん読んだり、家族と話し合ったり、毎朝ウォーキングに行ったりしました。

そうしたら本当に少しずつだけどよくなっていって、それと並行して今までうまくいかなかったことがうまく進むようになって、引っ越しも年内に間に合って、ここまでたどりつきたいと思っていたところまでたどり着けました。

札幌で毎日歩いた散歩道はとても美しい場所でした。ものすごい迫力の紅葉を見せつけたあと、ものすごい勢いで散りざまを見せつけ、地面に散乱した葉っぱが朽ちる前に雪がやってきて、裸になった木も針葉樹も真っ白になって。何もかもが変わっていくんだと教えられているようでした。

元の自分に戻れたかというと、YESでもありNOでもあります。体調はすっかり戻りましたが、もう前の自分とはちがう実感があります。完璧にやろうとしたり、思い詰めたりすることをやめました。自分の心との付き合い方がまたひとつわかったんだと思います。

そうして少し新しくなった私は、予想もしないタイミングで現れる坂道や階段にびっくりさせられたり、朝からやってるパン屋さんをリサーチしたりしながら、東京の道を歩いています。

自然とは単に土とか緑とかのことではなくて、何もかもが変わっていくことなのだと思えば、ここ東京も自然がいっぱいです。見上げれば意外と空は広く、はるか高いところをしょっちゅう飛行機が横切っていきます。

最高に楽しかった札幌の10年を経てふたたびの東京、思いっきり楽しみたいです。今までの縁とこれからの縁、どちらとも柔らかく手を繋ぐようにして、2022年を歩いていきたいと思います。

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